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コラムいろいろ

  • 2010.06.23
  • 第六の味覚「脂肪」

第六の味覚「脂肪」

  跳ね返すような弾力。ずっしりと重い、紫のツヤツヤした美しいナス。
  ヘタにある鋭いトゲに注意しながら、田舎の畑でナスをもがせてもらい、昼食のみそ汁に入れました。なんとなくコリコリしてしっかりした甘みのあるナスを食べるとき、野菜の命のエネルギーをいただいている気がしました。

  最近、「甘味、塩味、苦味、酸味、うま味」の5つの味覚に、第6の味覚として「脂肪」をくわえるという説が出ています。
  脂肪の味を敏感に感じる人は、脂肪の味に対して鈍くなっている人に比べ、脂肪の少ない食品でも満足でき、脂肪の多い食品を食べすぎない傾向があり、体重増や肥満も少ないそうです。

  これはオーストラリアのディーキン大学のRussell Keast博士らが、ディーキン大学、アデレード大学、ニュージーランドのマッセイ大学、オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)で共同研究として発表しました。その報告によると、脂肪の味を敏感に感じる人は、肥満の程度をあらわす体格指数(BMI)も低かったそうです。

  言われてみれば、日本人やアジアはもともと脂肪をたくさん取る習慣がなく、脂肪の味にも敏感だったことでしょう。欧米人などに比べ、インスリンの分泌量が少ない体質が多く、特に最近発見された膵臓の細胞にあらわれる「KCNJ15」内のSNPという遺伝子はアジア人特有のもの。
  高度な肥満でなくても、軽い肥満に脂肪のとりすぎや運動不足などで、インスリン抵抗性が生じ糖尿病を発症しやすくなるので、脂肪を取りすぎないことが重要です。

  さて、以前、肥満遺伝子の研究で有名な先生にダイエットのコツを伺ったところ、先生のご指導は、「食事をよく味わいながら一日三食規則正しく食べること。夜8時以降に口にするのは野菜か水かお茶だけ。野菜にはドレッシングなし。砂糖と油脂類だけは厳しく制限する」の五か条だけ。

  先生は実際に「安いスーパーを探して歩き、トマトでもキュウリでもキャベツでもいいから、その日一番安い野菜を200円分くらい買って来て、一人で食べなさい」と患者さんに指導しておられました。これなら、患者さんから食べる楽しみを奪わずに、合理的に続けられます。

  トマト、オクラ、ズッキーニ、青じそ…。目にも鮮やかな生野菜のおいしい季節。季節の恵みをありがたくいただいて、脂肪に頼らない食生活を始めましょう。

コラムニスト 鈴木 百合子



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