
昨年が冷夏だったので少し油断をしていたら、今年はラニーニャ現象で、また猛暑。
「陽気とどまりて、初めて退きやまむ」といわれる処暑をやっと過ぎましたが、天気予報を見る限り、この異常な暑さが退きやむ気配はなさそう。まだまだ暑さ対策が必要です。
今年、沖縄勢初の春夏連覇を達成した興南高校は、県大会優勝後、甲子園球場での体感温度に慣れるために、晴天でも雨ガッパを着用して練習してきたそうですね。
他の出場校でも暑さ対策はキーポイントで、食事内容や水分補給の工夫、体内への吸収率がいいという特別な塩をなめるなど、各校でさまざまな工夫があったようです。
さて、今年の猛暑で印象的なのは、脱水症で室内にいるお年寄りの死者が増加したこと。
多くの場合、室温が上がっているのにクーラーをつけなかったり、必要以上に水を控えてしまったりするのが原因ですが、これは「身体が弱って熱のセンサー機能が衰えたお年寄りにとっては熱中症の症状より、熱中症対策で起きる合併症状の方がつらい」という理由もあるかと思います。
たとえば、私の身内の80代女性は、一緒にいる私は滝のように汗が出ていても、本人は軽く汗ばむ程度でクーラーを嫌がります。熱中症が気になって、念のため体温を計ってもらうと、平熱は35度台なのに、日中は軽く37度5分。
そこで無理矢理、部屋を冷やし、身体に吸収率のいい5度くらいのハイポトニック飲料水※ を飲んでもらうと、一時的に体温は下がるのですが、今度はトイレに何回も起きるので眠れなくなったり、身体が冷えてお腹を壊したり……。これにはお互いに苦戦しています。
高齢になると元気な方でもクーラーを嫌う傾向があるそうで、救急医学会の先生が呼びかけている高齢の方の身体に優しいクーラーの設定方法は、
・室温28度
・湿度60%以下
・風の方向は上向きに
・冷風が直接あたらないよう、クーラーと同時に扇風機を回す
メーカーの担当者によると「扇風機の風を壁に当てる」という裏技も。そよ風に感じられる上、熱を持った壁が冷やされて一石二鳥なのだそうです
。
さて、今夏は「100歳以上のお年寄りのうち、200人以上が行方不明者だった」という報道も印象的でした。
こんなに多くの人が死亡届を出されていないことに驚きましたが、核家族や単身者が増え、年金や家族の力だけでは高齢化社会を支えていけない時代が来たのかもしれません。
兵庫県や大阪府で特に行方不明者が多かったのは、阪神・淡路大震災の爪痕でしょう。
もうすぐ阪神・淡路大震災から15年。あの時も、震災後に仮設住宅に入居したお年寄りの孤独死等に悩みました。
私たちはあの教訓をどう活かせばいいのでしょうか。
※ 体液より浸透圧が低いイオン飲料水で、より体内に吸収されやすい。
コラムニスト 鈴木 百合子