先日、仕事で金沢大学医学部に伺いました。駅前や旧市街は東京の繁華街と変わらぬ賑わいでしたが、旧市街の夜景は古都にふさわしい品格を感じました。
特に印象に残ったのは、浅野川のほとりの200年以上たつ老舗の割烹の店先に咲いていた、雪を被った小さな赤い椿の花。暗闇の中、白い月の光を受けて輝いている姿が何となくけなげで愛らしく、思わず、足を止めました。
そういえば、今年の新成人の式典でも、こんなかわいらしくて華やかな振り袖姿の女性たちが、三々五々、街を彩っていたのを思い出しました。
さて、今年の新成人のみなさんは、外見だけでなく中身もギッシリのようです。
ある調査会社の意識調査(インターネットリサーチ。有効回答数 は 500 名)によると、「自分たちの世代が国を変えてゆきたいと思うか」に対し、「そう思う」と回答した新成人が77%に達しました。
日本の未来を暗いと考えている新成人は約80%。将来、国民年金を自分がもらえるか不安」という人が 93%、「それでも必要な制度だ」と考える人は 72%。
そんな状況の中で、政治に対して関心がある人が72%、選挙に対しては59%、経済に対しては76%。
今後の日本のあり方については「日本を世界に誇れる国にしたい」という意見が寄せられました。
また、「日本はどうあるべきか」という質問には、「個人が社会貢献すること」「一人ひとりが国民年金をしっかり払うこと」「日本をもっと海外にアピールすること」「国民にもっと情報開示すること」。
成人の日とは「おとなになったことを自覚し、みずから生き抜こうとする青年を祝いはげます日」。国民の祝日を制定した1948年当時はまだ第二次世界大戦直後で、日本各地で焼け野原から復興が始まったばかりでした。
この日を国民の祝日と決めた「若い人たちとともに新しい日本を築いていこう」という願いが、まさに今年の新成人に受け継がれているような気がします。
そういえば、天才プロゴルファーの石川遼さんも今年の新成人。既に社会で大活躍している石川さんが「これからは一人の社会人として生きていかなくては」と報道陣にコメントしてもピンときませんが、おじいさまが仕立てた愛情のこもったスーツを着て地元の成人式の式典で同級生と笑い合う姿は、やはり20歳の初々しさでした。
昨年は人の絆のありがたさを身にしみて意識した一年でした。今年は昇り竜の年。新成人の皆様の未来が幸多きよう、心よりお祈り申し上げます。
コラムニスト 鈴木 百合子