連合印象用の新しい寒天印象材「アローマロイド」の臨床応用

GC CIRCLE No.79

寒天・アルジネート連合印象は、日常臨床でも最も頻繁に用いられる印象法である。その理由としては、

 

  1. 臨床的に必要な精度が得られる
  2. 安価である
  3. 特別な装置を必要としない
  4. 再印象時にも心理的負担が少ない

などが挙げられよう

近年、寒天印象材とアルジネート印象材の接着性の問題も改善され、ぬれの良さやフローに優れた点などから印象法としての利便性は、広く認識されるようになっている。

 

その半面、フローが良すぎてアルジネートの圧接時に支台歯周辺から逃げてしまったり、あるいは物理的強度が弱く、ちぎれやすいなどの問題点が指摘されてきた。

今回、ジーシー社より発売された「アローマロイド」は寒天・アルジネート連合印象の利点はそのままに、寒天の濃度を高めることにより大幅な改良がなされている。特に弾性が増し、支台歯に寒天を盛り上げて厚さを確保することが容易になったことと、適切なチキソトロピー性の付与によりアルジネート印象材の圧接時に適度な流動性を発揮するので、アルジネート印象材を軟らかめに練和する必要がなくなった。そのため、印象全体の精度にも一段と信頼性が増し、ポスト及び歯肉縁下マージンの印象採得時に必要な強度の向上が図られたことが実感された。以下、この新しい寒天印象材の操作感を紹介する。

 


 

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本寒天は適切な粘稠度があり、他の寒天と比べ、必要な部位に流れすぎずに盛り上げることができる。
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補助的維持形態が付与された内側性の窩洞。アローマロイドの色調は鮮やかなグリーンでアルジネート印象材と識別しやすく微妙な凸凹やマージン部の判別も容易である。
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忠実に再現された作業模型。
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上顎前歯。タレることがなく盛り上げやすい。
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細部まで再現されたシャープな印象。
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メタルコアー用の印象。ポストの部分がしっかりと採得されている。この時、補強用のピンなどは使用していないが、強度は充分あり、満足な印象が採得できる。
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フルクラウンの支台歯。歯肉縁下のマージンを印象するにはコードによる圧排が望ましい。
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アルジネート印象材の圧接によっても寒天が大きく流れすぎないことは、アルジネートとの境界を見れば明らかである。
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作業模型。

 

著者

上野 正志

千葉県千葉市開業